アンダーサイカ



煮立ったお鍋の中にお肉を投入しながらヨシヤが言う。
その鮮やかな手つきはまるで旅館の女将さんみたいだ。


「今日は何か特別なことがあったの?」


「まあ、厳密には“一昨日”なんですけどね。

豊花ちゃんと知り合えた記念です。」


あっけらかんと言った。

包み隠さないその白々しさが、どこか眩しくもあったけど、


「………。」

私と出会った…と嬉しいことを言ってくれる彼にしてみたら、


「ヨシヤが会えて嬉しいのは“地上人”の私でしょ?」


「人が言葉を選んでいるのにこのお子様は。」


久々にヨシヤの笑顔が引き攣った。どうやら図星みたい。


ひどいことを言われてるはずなのに、今はそんなに嫌な気はしなかった。

また、くすくすと肩を震わせて笑う私。