「お腹の虫が泣いてますよ。」 人の、声がした。 「っ、」 まさか。さっきまで誰もいなかったのに。 私は反射的に、そのクッキーを差し出す手を目で追ってしまった。 「いちご味は嫌いですか?」 それは、私よりずっと背の高い男の人だった。