「騒々しい方々でしょう。
ああいった厄介なお客様もいますから、…まったく油断も隙もありませんよ。

どうでしたか?」


卵軍団を見送ったヨシヤが訊ねてきた。

…けど、私の答えは大体想像ついてるんだろうな。


「………私、やっぱりあいつら、好きになれそうにない。」


「でしょうね。

方々は恐らく、豊花ちゃんが地上人だと気づいていますよ。」


「っ!?」


足元に落としかけていた視線を、私は物凄い勢いでヨシヤの笑顔に向けた。

だって当然だ。
地上人って分かった…ってことは、



「わ、私、あいつらに食べられちゃうのッ!?」


人の姿をしてるヨシヤが「食べたい」と言ってるくらいだもの。
あんなオバケビジュアルたちならもっと優雅に私を、叩いて伸ばしてお煎餅にしたっておかしくない。


「あっ、あ、餡(あんこ)と一緒に薄皮でくるんで、大福にしたって全然不思議じゃない!!」


「おや美味しそう。」