君に会いたくて



「ごめん」



微かに聞こえた、弱々しい声。





あたしは聞こえないふりをした。




全部抱込まないで欲しい。




あたしが助けられてるぶん




あたしのことも頼って欲しい。





素直にそう思えたから。





すると熱を計り終えたことを知らせる


音がした。




奈南のお兄ちゃんから体温計を受けとると




38,7℃



とんでもない数字。




「病院、行きますか?」