持って来たトレイをミニテーブルの上に置き ベットで寝ている奈南のお兄ちゃんに 体温計を手渡す。 「熱、計ってください」 額にうっすら汗をかいて 火照った顔で体温計を受け取った。 熱、高そう…。 心配になってしまう。 奈南の家庭のことは聞いているから 余計に。 熱があるときくらい 誰かに頼りたいはず。 いくら強くたって。