もうすぐ校門が見える。 ちらほらと生徒たちも 歩いている。 うつむいて歩くあたしの隣には 朝の日差しを浴びて嬉しそうだけど どこか冷めたような瞳の 彼。 あんまり、笑わないんだなあ。 校門にたどり着くと 奈南のお兄ちゃんは あたしのほうに振り返った。 「また、うちに来な。」 少し、笑顔だった。