街を歩けば、制服姿の学生がズラリ。

昔は少しうらやましい気持ちもあったが、もう今はそんな気持ちを抱くこともない。

私は この地区でもいちばん有名な、「杉浦高校」に入学。

ほかの学校からしてみれば、学業からスポーツまで優秀なのだそう。


私は正直そんなことどうでもいいと思っている。

でも話すと長くなりそうなので、

その話はまた 別の機会に。


とりあえず、教室に入ってみる。

「あ!あの子、あの子!」

「学年トップの子じゃない!?」

「スポーツで新聞にも載ってたコじゃん、あいつ」

「でも、顔が残念かも。」


・・・とかいって騒がれるのもあまり好きではない。


今回もこのクラスに溶け込むのは、難しそうだな、と思う。

「あれ?由梨じゃん。」



「もしかして・・爽花?」

「やっぱ由梨だ。この学校だったんだね!」



この子は石橋 爽花(いしばし さやか)。小学校まで同じだった、私の親友的存在。

中学で離れてしまったが、ここでまた再開。

成績優秀で、美人、スポーツ万能。小学生の時は学校一モテていた。



「由梨すごいね!学年トップなんだもんね!」
「そんなこといって・・・。爽花も二位なんでしょう?」




「・・・・私ね三位なの。・・で!!二位の人が男の子で・・・」

「そうだったんだ・・・。ごめん。」

「あの、人の話は最後まで聞こう? で、その二位の男の子が

 ちょ--------------------------------おイケメンなんだって!」



「ごめん、いつものことなんだけど・・・」

「わかってるよ!由梨はいっつもそうだもん!いーよ気にしなくて」



私はイケメンが大のニガテ。というか男全般好きにはなれない。

つまり恋なんてしたことがない。

だからいつも私は、爽花の話にはついていけなくて・・

たまに爽花は私といて楽しいのかなって思ってしまう時もある。

と、その時。



「あ。あの人が二位の高柳 祐斗君だよ」



と言ったと同時に入ってきた男の子。

周りにいる女子は目をキラキラさせている。



そして このとき私はあらためて











やっぱりムリだな、そう思った。