あのあと、酔いつぶれてしまったお父さんを廊下に追い出し、衣服を整えた。



これなら、お母さんも酔いつぶれたと思い込むだろう。



そして、あとから知ったことによると、お父さんは前々から移動が決まっていたらしい。



お母さんは、ここを離れるのが嫌だからと言って、ついて行かなかった。



そのため、お父さんは単身赴任という形で、夜に海外へと旅立った。





私は、正直お父さんとどう顔を合わせればいいのか分からなかったので、ほっとした。



…いつかは、喋れるときが来るのかな…



お父さんが私にしたことは許せない。



でも私は...



お父さんが私にあんなことをした理由が知りたかった。



だから、私はこのことを誰にも言わないし、陰で泣いたりもしない。



絶対に、耐えてみせる…―