ハナミズキ




「お父さん、お茶入れたよ…え?」



部屋に入り、私が目にしたものは…



立ったままの父の姿だった。



「お、お父さん?なんで立ってるの?座りなよ」



父は振り返り、私に微笑んだ。



「恋華…」



父は私に近づき、私が手にしていた冷たい麦茶を私に頭からぶっかけた。



「冷た…っ!ちょっ…なにするの!お父さんっ!」



「ああ、すまない。濡れてしまったね…」


自分から私にお茶をかけたくせに…



私はとりあえず、麦茶を乗せたお盆を机の上に置いた。