「え?うん、そうだよ?」 お礼じゃなかったならなんだったの? 「…俺たち、事故について聞かれるかと思ってたから…びっくりした」 「なんだ、そんなこと?」 「そんなこと…?」 「今、事故のことを聞いたって私の記憶が戻るわけでもないし、それなら無理に問いたださずに自然に記憶が戻ることを私は望むよ。」 「恋華ちゃんは…強いね…」 「そんなことない――……っ」 そう言おうとしたとき、私のこめかみがひどく痛んだ。