ハナミズキ



「…あとは、二人で決めや」



遊李さんは、お母さんに会釈をすると病室から出て行った。






「……恋華。」


…言わなきゃ。

言わなきゃ、産みたいって。


「お母さん…私おなかの中に赤ちゃんが居るの」

「相手は悠くん?」

私は、黙って頷く。


お母さんは落ち着いた声で静かに語り出した。