ハナミズキ





そう言うと、遊李さんは少しだけ頬を赤らめこう言った。


「俺な、今付き合うてる人おるんや。

もちろん、今でもお前のこと好きやで?

『好き』の意味は変わったけどな」



いつのまにか、止まっていた私の涙がまた溢れだした。



「…こんなこといったら、“軽い男”って思われるかも知らんけど、俺ホンマにその人のこと愛してるんや。

こんな風に、思えるようになったのも全部恋華との思い出があったから。」


「遊李、さん……」


「恋華、今まで本当にありがとう。

俺、お前と出会えてホンマ良かった」


「私も……!

私も良かったです!

遊李さんと出会えて…」





遊李さんと出会わなければ、私はここにいることはなかった。



悠くんが事故に遭うことも、私のお腹の中に赤ちゃんができることもなかった。