ハナミズキ




「…ごめんなさい…」


「…ほんま、ここが病院で助かったわ。

あ、それと…

見つけてくれたこの子にもお礼言いや?」


すると、遊李さんの後ろから小学生くらいの女の子が出てきた。




「えっと…この子は?」


「悠の妹さん。」



「え…ええ!?」


驚いていると、遊李さんは手話で女の子に話しかけた。


「朱梨架ちゃん。このお姉さんに渡したい物あるんやろ?」


そっか…


朱梨架ちゃんって言うのか…



朱梨架ちゃんは、コクリと頷くと私に一冊の本を渡した。



タイトルは―…。