ハナミズキ




「……逃げなきゃ…!」


まだ、連れ戻されるわけにいかない。


そう思った私は、見つからないよう木と木の間をすり抜け進んだ。


しかし、でこぼこ道のせいで、私の体力はさらに消耗された。





「………まだ…はぁ……着かないの…」



もう、大分歩いた。


あと、どれくらいかと確認するため私は大通りにでた。



しかし、そのとき――。


「…恋華ッ!!」


―みつかった。


一番見つかりたくなかった人に。