ハナミズキ




―遊李side―






一人になった俺は、恋華の手紙を手に取り読み始めた。







「…遊李さんへ。


あんな風に突き放して本当にごめんなさい。



私のこと、もう嫌いになっちゃったかな……。


「……ばーか。なっとるわけ無いやろ…」



…遊李さんは、私と居るとき楽しかったですか?


「…もちろんや。」

私は、毎日が幸せでした。


「…俺も幸せやったよ…。」




遊李さんは、仕事が忙しくて、メールや電話しかしてなかったけど、本当に幸せだった。


…ごめんなさい。

私、本当は嫌いになんて………。



「…じゃあ、なんで……」



だって、私まだ……

今更、言っても遅いって分かってる。

だけど言わずにはいられ…な…。

私は、本当にアナタを………』



俺は、手紙を読むのを止めた。


こんな手紙、もう読まれへん。



読みたくない。




「………っく……」