ハナミズキ





「…………ぅ…」



ここはどこ?…病院?



「恋華!!」


「あ…遊李さん?」



私は、目を覚まし、起き上がった。まだ少し体は痛いけれど。



すると、担当医の杉浦先生が顔を出した。



「おや、目が覚めましたか?

どうです?体の調子は。」


「はい。だいぶ楽になりました。ありがとうございます。」



「まったく、あなたには目を見張るものがありますよ。二度も屋上から落ちて、打ち身と捻挫だけなんて。普通は、骨折したり、脳に損傷があるはずなんですがねぇ。」

「あはは…私、運が良いみたいです。」



「では。私は、一度ここで失礼させていただきます。くれぐれも無茶はしないようにお願いしますよ」


「はい。」


そして、そのまま担当医は去っていった。