「ん?」 遊李さんがボールを拾い、首を傾げたとき小さな女の子がトテトテと歩きながら遊李さんに近づいてきた。 「おにぃちゃんが、ボール取ってくれたの?」 「ああ、君のやったんか。はい、どうぞ」 と、ベンチから席を立ち、女の子と同じ目線になるようにしゃがむと遊李さんはそう言った。 「ありがとう!おにぃちゃん」 ボールを受け取ると女の子は元の場所へ戻り、また友達と遊び始めていた。