「神野の事なんだか…」

「すいません、これ返します。ではこれで失礼します。」



振り返る。歩き始める。
あれ、おかしいな。
右手がついてこないぞ?


なんですかその笑顔は?
「交渉成立って言っただろ?幸多。」



まずった。
軽々と受け取ったのが
馬鹿だった。


「…はあ。分かりましたよ。だから手離して下さい。痛いです。」


「逃げる方が悪い。だが協力感謝する。」



諦めたよこのやろう。


「…何したらいいんですか?」