相手を知りたいって、気になるからだよね?

確かに朱里ちゃんのことは気になる。守らなきゃいけないから。

だけど、今の気持ちはそれとは違う気がする。

もっと大切な……



僕は自分の気持ちに鈍感なんだと思う。

それが持って生まれたものなのか、これまでのことがそうさせているのかは、わからない。

だけど、僕自身が興味を持って質問する。

それは初めての事かもしれない。




いやーんっ!

これって恋なの?そんなわけないよね?だってまだ2日だよ?

お互いのこと、まだなーんにも知らないんだよ?


それに、僕は……


そうだ!

これはきっと、同居人に対する興味だ!

そうだ!そうに違いない!


ポンッと手を叩いて頷く僕に、冷たい視線が突き刺さる。

ふと見ると、朱里ちゃんの怖い顔。



「…――気持ち悪い」

「な、何で?ゴン太と散歩中に何か変なもの食べた?」

「食べてない!っていうか、颯太さんが気持ち悪い!」

「僕?」

「そう、僕。顔が赤くなったなって思ったら、すごく真剣な顔して、今度はうんうん頷いて。これが気持ち悪くなくて何なの!」


そうですか。僕はそんなに気持ち悪いですか……。

穴があったら入りたい……

頭を抱えて座り込む僕に、今度は優しげな笑い声がかかる。