し、静かすぎる!

昨日の夕飯の時は、あれこれ聞き出そうと頑張って話してたけど、今朝はそれもできない。

だって、聞いても答えてくれないんだもん。全部はぐらかされちゃって。

でも黙ったまま食べるのも寂しいなー。

そんな私の気持ちに気付いたのか、トコトコとゴン太が近づいてきた。


「もう少し待っててね。そしたら散歩、行くから。」

いつもなら返事がわりに鼻を押し当ててくるのに、今日は何もしない。

「ん?」

見るとゴン太さん、テーブルに釘付け。

ゴン太から見てもこの朝食は魅力的みたい。


「…ゴン太。ダメ。」


ダメといった私を見るゴン太の目ったら…

大きな目をウルウルさせちゃって、これ以上ないくらいかわいい顔してる。


ま…負けそう…

いやいや……負けちゃいけない!

ゴン太が病気になったら困る!

気合いよ!気合い!

ダメなものはダメ!


「朱里ちゃん…また百面相してるよ。」

はっ!またやってしまった!

どうしても考えてることが顔に出ちゃうんだよね。


ん?なぜ百面相してるって気がついた?


見ると颯太さんのお皿は空っぽ。

は、早い!

綺麗な食べ方してるけど、やっぱり男の人なんだー。

妙に感心しちゃった。