わたしの魔法使い

目が覚めたときは、ほとんど覚えてないって言ってたのに!!

「裏切りだ―」

「覚えてないのはホント。だけど、あれだけ大きな声で”お粥“って叫ばれたら、いやでも忘れないでしょ?」

「――!!」



もう、完全にバレたね…料理ができないこと…

もう少し隠しておきたかったかも…

せめて「お粥が作れない」でバレるのは避けたかった…かも。




しかし…

颯太さんは完璧なんだ。

茶色い髪に茶色い瞳、中性的な顔にはえくぼができて、その上料理もできるんだ。

すごい…

すごいよね。

きっと、モテるんだろうな。

私なんてさ。

美人でもないし、スタイルも良くないし、料理もできないし…





「また百面相になってる。でも、今の百面相は可愛くない」




きっと考えていることが顔に出てたんだ。

颯太さんの顔が少しだけ怒っているように見える。



怒った顔も、やっぱり綺麗なんだ…