聞いてから、自分の性格が憎らしく思えた。

だって、スッゴク雰囲気良かったんだよ!

颯太みたいな綺麗な男の人に腕枕されて、頬や瞼にキスを落とされて……

これって映画とか、お話の中の世界みたい!とかってちょっとだけ思ってたのに。

それなのに、ちょっとした好奇心で聞いちゃって……

颯太が拗ねちゃうのも当たり前だよね。

ダメだな……私……



「…――なーんてね!」

「え……?」


颯太の声が、笑って……る…?


「朱里のそういうとこ、好きだよ。……何にでも興味持ってて、気になったらすぐに聞こうとするとこ」


顔をあげると、優しく笑う颯太のキスが頬に落ちた。


「腕枕ね…何でするんだろうね?……僕もよくわかんない。疲れるし。でも……」


そういうと、反対の腕を私の体に巻き付けるように抱き締めてくれた。


「僕は、こうやって朱里をギュッてしやすくするためだと思ってる」

「颯太……」


疲れる。だけど、私をギュッとするために腕枕する。

それが嬉しい。



温かい颯太の腕の中で、私はもう一度目を閉じた。