やっぱりしない!


絶対に隠し通す!


「……何でもないの!ホントだよ?」

「ホントに?」

「ホントに!」



私の心を見透かすようなまっすぐな瞳。

夢の中と同じ瞳。

また心臓がドキドキしてきた!

ば、ばれちゃうー!


「そっ!言いたくなければ言わなくていいよ。」


よ、よかったー!

「今!」

「ん?」

「今、あからさまにホッとした顔した!」

「そんなことないよー。さあ、そろそろ起きようかな?」


颯太の視線を避けるように起き上がると、颯太の大きな手で頭を押さえられてしまった。


「あのー?起きれませんが……」


そっと押さえられた手の下から颯太の顔を覗くと、さっきまでのいたずらっ子のような笑顔はなく、ひどく真剣な顔をしていた。


「…何か……あった?」

「あった……。たぶん見つかった……」

「見つかった…って……」


「ん。お父さんに……どうする?」


見つかった……?

あの人に、見つかっちゃったんだ…


「……そう。」


それ以上言葉がでない。

今まで火照っていた顔から血の気が引くのがわかる。

手も、きっと震えてる。

あの人に見つかった……


だけど、私の頭の中は、妙に冷静だった。