真っ赤な顔をした朱里ちゃんを連れて、絵本コーナーまで来たけど……

絵本って結構出てるんだよね。

見つけられるかな?

…なんて心配はいらなくて、朱里ちゃんの教えてくれた絵本は、すぐに見つかった。

絵がとてもきれいで、ウサギの表情なんて、驚くほど可愛くて。

初めて読んだけど、すっごくいい!!

いいなーいいなー。

好きな人と一緒にいたいって願えるの。

とっても素敵!

こういうお話、好きだなー。



「よし!レジに行こう!」

「…――はあ?」

「これ買う!」

「何で?」

「欲しいから!」


何だろうね。この会話。

手繋いで、赤い顔して、でも話してることは微妙に親子みたいで。

まだ「買って~」じゃないだけ、まし?



「本気で買うの?」

ちょっとイヤそうな声が聞こえる。

「買うよー。気に入っちゃった」

明るく答えるけど、

「大人なのに?」

痛いところをついてきた。

「大人だから、この本の良さがわかるんじゃない」

「………」

無言になっちゃった?!

振り返ると、何かを考え込む朱里ちゃんが目に入った。