○○彼氏。【完】


たんたんと過去のことを話す叶汰が、なんだかかわいそうになり、


「・・・・・・や、叶汰にはいいとこいっぱいあるじゃん!!今までの彼女たちはそれがわからなかったんだよ!!」


と、励ました。


「・・・・・・励ましてんの?」


「あー・・・・・・い、一応」


目線を泳がせながら言うと、叶汰は遠慮がちに再び手を繋いできて、


「・・・・・・ありがと」


と、耳まで赤くなった顔を背けながら呟いた。


そんなに赤くなると、あたしにまで移るんですけど。


そう心の中で呟き、叶汰とは別方向を向いて、空いてる方の手でパタパタと扇ぎながら、あたしたちは帰った。