「あー、はいはい。どーぞ好きなだけもらってください」 奈緒は呆れ顔で手をひらひらさせながら龍一くんと、仕掛人だった女の子と歩いて行ってしまった。 「・・・・・・先輩、二人っきりですよ」 拓真がそんなことを言うから、変に意識しだして、あたしは腕の中から逃れようと身をよじった。 「ちょ、もうそろそろ離してもいいんじゃないかなー・・・・・って感じなんですが」 「うーん、まだ無理ですねぇ」 なんてことを爽やかな笑顔と共に言ってきた。 な、何だと!? このままあたしを失神させる気か!?