○○彼氏。【完】


体育館裏に着いて辺りを見渡しても二人の姿は見えなかった。


はぁ、とため息を吐いて帰ろうとしたとき、角の向こうから話し声が聞こえた。


「──し、た・・・き・・・さい」


途切れ途切れでしか聞こえない女の子の声を聞こうと、声の聞こえる方へあたしは向かった。


少しだけその向こうを覗いたとき、女の子が拓真に抱きつこうとしていた。


ドクン、と心臓が跳ねたと同時にあたしは飛び出していた。


「やめて!!」


自分でも気づかないうちにそんなことを叫んでいた。