「てめぇ・・・・・・覚えとけよ」 涙目になりながら旬はそう呟いて自分の席に戻っていった。 「ちょ、今のはかわいそうでしょ〜」 いつの間にか帰ってきていた奈緒が旬のことをかわいそうに、とでもいうような顔で見ていた。 「なんだ、帰ってきてたんだ」 「ずっと前からね。ていうか旬くんもかわいそうね」 「別に、脛蹴られたくらいあいつにとってはどうってことないわよ」 「そういうことじゃなくて」 そこまで言って奈緒は、ふーっとため息をついた。