その顔は整っていて誰が見てもイケメンと言えるほどだった。 「あ、いえいえ。でわ」 そう言って立ち去ろうとするあたしの腕をまた掴んで引っ張り、 「俺、永利拓真って言います」 「は、はぁ」 いきなり自己紹介されても…と思ったあたしだったが、とりあえずあたしも名前を教えてその場を去った。 ─数日後─ あたしは高校に入って仲良くなった坂口奈緒(サカグチナオ)と一緒に登校していたときのことだった。