朝。 廊下を歩くあたし、羽山美帆(ハヤマミホ)に向かってくる一つの足音。 「せーんぱいっ♪」 と言う声と共に後ろから腕を回される。 「・・・・・あんた何回言えばそれ直すのよ?」 「えー、先輩も満更じゃないくせにっ♪」 そう言いながらあたしの頬をつつくこいつは永利拓真(ナガトシタクマ)、一つ年下の後輩。 毎朝決まって後ろから抱きついてくる。 「だーっ!!暑苦しい!!」 「照れちゃってかわいー♪」 あたしが何度やめろと言っても懲りずに抱きついてくる。