そう言って再び手を引いて歩き出す。 ・・・・・やっぱり、どっか抜けてるよ。 翔の背中を見ながらそう思ったことは、あたしの心の中だけで留めておいた。 ─────・・・・ 「あ、菜奈、翔くん。おはよー」 下駄箱で今登校してきたであろう渚がこちらに気づき、ニッコリ笑った。 「おはよ、渚」 「はよー」 「相変わらず、菜奈はクールで翔くんは緩いね」