そうこうしているうちに、駅に着く。 毎朝通勤ラッシュであるこの電車は、正直言って苦手だ。 冬ならまだしも、夏になると満員であるその電車は暑いし汗臭いしで最悪としか言い様がない。 そして、今日もたくさんの人がいる電車に乗り込む。 翔と離れないように、手をしっかりと握って。 ガタタンッガタタンッ───・・・ 「・・・・・」 ゆれる電車に合わせて動いている手。 これは、もしや・・・・・痴漢?