校舎の中に入ったあたし達は、とりあえず空き教室を見て回った。 「てか、文化祭の役員の仕事いいの?」 叶汰が心配そうに聞いてきて、そういえばそうだった、と思い出す。 「まぁ、そこまで喧嘩らしい喧嘩も起こってないし、大丈夫だと思うよ」 「実際サボりたかったり?」 ニヤ、と悪戯っぽく笑う叶汰に、 「当たり前」 と返すと、 「やっぱだるいよなー」 と返ってきた。 その時ふと、目に止まった空き教室。 なんとなく扉に手をかけ、少し開け中を覗いたところで、あたしは開けかけていた手を止めた。