○○彼氏。【完】


「そういえばさ・・・・・」


秋斗が志乃のこと好きなの知ってる?


そう言いかけて、口を閉じた。


言って、どうするつもりだったんだろ。


叶汰から志乃に、秋斗に近づくなって言ってもらうつもり?


「・・・・・そういえば、何?」


叶汰が不思議そうな声で聞いてきて、ハッと我に返る。


「い、や、うん。なんでもない。ていうか何言おうとしてたか忘れちゃった」


あたしも年だなー、なんて冗談言ってみたが、叶汰は少しの間真剣な顔をしていた。


そしてフッと笑うと、


「そっか」


と一言つぶやいた。