「あれ、志乃は?」
てっきり一緒にいるだろうと思っていた志乃の姿は、どこを見てもいなかった。
「いや、ちょっとはぐれちゃって」
叶汰は頭を掻きながら苦笑いした。
「え、手繋いでなかったの?」
するとさっきまで苦笑いしてた叶汰は、今度は赤くなった。
・・・・・ほんと、恋愛に関してはシャイというか草食というか。
「いや、手は繋いでたよ。繋いでたんだけどいきなり走り出して、慌てて後追ったんだけど見失って」
「なにそれ・・・・・」
たぶん志乃のことだから、なにか興味のあるもの見つけて走り出したんだろうなぁ。
「じゃ、二人で探す?」
あたしの提案に叶汰も頷き、とりあえず二人を探しに歩き出した。

