○○彼氏。【完】


しかし男二人は目の前に立ち塞がり、通せん坊状態。


「えー、いいじゃん、案内くらい」


はぁ、めんどくさい。


そう思ったのとほぼ同時、


「嫌がってるのわからないの?」


と、今度は聞き覚えある声が聞こえてきた。


「・・・・・んだよ、人待ちって男かよ」


ぶつくさと文句を言って男達は去っていく。


その後ろ姿を見送ってから、あたしは声の主に振り返った。


「助けてくれてありがとう」


「どういたしまして」


ナイスタイミングで現れてくれた彼────叶汰に、お礼を言うと、叶汰は微笑んだ。