○○彼氏。【完】


「ねぇ、秋斗はさ、なんであの日あたしに傘貸してくれたの?」


初めて秋斗と話したときのことを聞いてみた。


すると眉をしかめながら


「は?あの日?なんのことだ?」


と言った。


本気で忘れてるよこの人。


いやまぁ秋斗が覚えててくれてるなんて、全然思ってなかったけどね。


絶対忘れてると思ってたけどね!!


そう思いつつ内心心配だったから、などという言葉を期待してたあたしは、正直へこんだ。


あたしと秋斗との出会いって所詮そんなもんだったのね。