○○彼氏。【完】


しかし、どうやら好きな人と二人きりというのをあたしは嘗めていたようで。


「・・・・・」


「・・・・・」


放課後の教室。


みんなは既に帰ったり部活に行っている中、あたしと秋斗は教室でクラスの人数分の文化祭のしおりをひたすらホッチキスで止めていた。


「お、多いねー、みんなの分って。先生もこんなにいっぱいあるのを二人だけにやらせるなんてねー」


「口を動かすくらいなら手を動かせ」


「・・・・・はい」


どうにか会話をしようにも秋斗は黙々と作業を続け、しかも手を動かせとまで言われたらどうしようもない。


仕方なく手を動かしていると、ふいにあの日のことを思い出した。