○○彼氏。【完】


「もしかして、忘れてた?」


図星を突かれたあたしは否定しようにも、見るからに動揺しているのがバレバレで。


「・・・・・ちょーっとだけ忘れてました」


と白状した。


「これ選んでたんだよ、あの日」


ポツリと言った颯輝の言葉はとても小さくて、よく耳を済まさないと聞こえなかった。


「少しでも喜んでもらうには、やっぱ女の意見も必要だと思ったから、一緒に行ってアドバイスもらってたんだよ」


・・・・・っていうことは、


「あたしの、勘違い?」


「うん」


そういうと颯輝は苦笑いを浮かべた。