「出ていったんじゃ、ないの?」 そういうと、颯輝はあたしの目の前に小さな箱を差し出した。 「これ、取りに行ってた」 ほんとは当日に渡したかったんだけど、と付け加えて言うと、箱から中身を取り出した。 「明後日、何の日か覚えてる?」 いきなり聞かれた質問に戸惑いつつ、部屋にあるカレンダーに目をやる。 明後日・・・・・あ。 「一年記念日・・・・・」 カレンダーの明後日の日付には目立つように記されたハートマーク。 その下には一年記念日と書かれていた。