下を向いて呟く颯輝にあたしは怒りを通り越して呆れた。
「・・・・・・も、いい。帰って」
そう言うと颯輝はゆっくり立ち上がって部屋から出ていった。
その瞬間目からはとめどなく涙が溢れた。
「颯輝・・・・・っ」
いやだ、今すぐ帰ってきて。
と、自分から颯輝を追い出したのに矛盾した思いで埋め尽くされる。
「颯輝・・・・・」
もう一度呟いたその時、
「ん、ごめんね」
と言う言葉と共にあたしは抱きしめられた。
「・・・・・颯輝っ?」
「うん」
「な、んで・・・・・っ」
顔を上げると、優しい顔をした颯輝がいて。

