「もしかしたら、勘違いってこともあるし。もう一回話し合ってみるべきだよ」
叶汰にぃは、大丈夫、と言って柔らかく笑った。
「うーん、でも、また感情的になって一方的に言っちゃったらどうしよう」
テーブルに突っ伏したあたしに叶汰にぃは、
「大丈夫。その時はうちにでも連れてくるといいよ。俺への紹介も兼ねて」
そう言うと叶汰にぃは不敵な、何か企んでいるような笑みを見せた。
「うちの妹泣かせるやつってどんなやつなんだろうね」
・・・・・言うのを忘れていたが、叶汰にぃはいわゆるシスコンと言う類の人間だ。
極度ではないが、両親がどっちも家に居なくなってからそのシスコンぶりにはさらに磨きがかかった。
だからこんなことがあったあとで颯輝なんか連れてきたら・・・・・。
そこまで考えてあたしは身震いした。

