「っ颯輝?」 すこしびっくりして声をかけると、正解、と返事が返ってきた。 「なーんで大人になりたいの?大人なんていいことないよ?」 はぁ、とため息を吐きながら未だにあたしの頭に顎を乗せてる颯輝を盗み見しようとするが、真上にいるから見えるはずもなく。 「ちょ、颯輝、いい加減重たい」 そう言って頭を動かすと、 「中身がたくさん詰まってるんですよー」 と、一言言ってようやく頭をどかした。 「で?なんで大人になりたいの?」 先程の独り言を聞いてたのか、再び質問してきた。