どうすることもできないままその場にしゃがみこみ、青くなっているあたしに、 「大丈夫?」 と、頭上から声が聞こえた。 顔をあげるとそこには柔らかそうな茶色がかった髪に切れ長の目をした男の人が立っていた。 「体調悪いの?」 心配そうに話しかけてくる彼に戸惑いつつもあたしは言葉を発しようとした。 「ね、寝坊して・・・・・・」 そこまで言って試験に間に合わなくなる不安から、涙が込み上げてきた。