あたしが5歳のときだったかなー



「親に虐待うけてて。その日はついに家追い出されて道端に座り込んでたの」



冬の日にTシャツ一枚。
凍死するっつーの。



「膝抱えて座り込んでたあたしの前に止まったのね、すんげー高級そうな車が。それから降りてきたのが…今の両親。」



はじめみたときは完全に恐怖しかなかった。

みるからヤクザだってわかるもん。




「親父が言ったんだ、俺のところにくるか?って。固まったあたしの前に姿をみせたのが、兄貴だった。兄貴はかなり前に麗亜に拾われてたらしくて。兄貴が頼み込んだらしいんだよね。妹を助けてくれって。」



両親は元からそのつもりだったらしいけど。




「あたしは当然のように兄貴にくっついて麗亜に養子に入った。あったばかりの人って怖いイメージしかなかったのに、みんな優しいから面食らったよ。それに両親や頼が何より暖かかった。」




家族ってこうなんだ…
はじめて人を暖かいと思えた。




「んですくすく育って。あたしは鍛えられてたし、喧嘩も強くてね。少なくともその辺のやつには負けないくらい。おまけに兄貴が青龍の総長だから名も売れるわけだ。だからかなー…あたしに友達、なんていなかった。」



一緒に笑ってる。
そんな光景を夢にまでみた。