月下美人





そして目の前にかかってるスーツ。


黒を貴重としたスーツのポケットには
麗亜組の象徴である椿の花が刺繍されている。


この椿の花には、いろんなものが染み込んでる。

たくさんの人の思いを背負って着なきゃいけないから、見た目以上に重たいんだ。


そして
これに袖を通すのはしばらくぶり。
よっぽどじゃない限り、着ないんだもん。



親父は、怪我人を出す前に早めにカタを付けたいんだろう。
流川組ならこの花が何を示すか、それがわかるはずだから。





そんなことを考えながら着替える。



「櫻ー、いくぞ。」



「はいよー」



あたしはふっと小さく笑ってから、部屋をでた。


さぁ、いきましょーか。