「親父、入るよ?」
ドアを開けると資料とにらめっこしてた親父が顔を上げた。
「おう、おかえり。」
「ん、ただいま」
あたしはそのまま目の前のソファーに腰を下ろす。
その様子をみてか、親父が苦笑いで口を開いた。
「で、今度の用事はなんだ?話があったんだろ?」
「、今夜青龍に流川組が攻めてくるらしいんだ。んで、さすがに相手が組じゃ青龍もヤバいだろうってことで、こっちで請け負うことにしたから。」
親父があー…と声を漏らす。
ん?なんか不都合あったかな…
「何か不都合あった?」
「いや、こっちもそろそろ流川組と同盟切って処分しなきゃと思ってたところなんだよ。それなら話が早いな。正装していって話しつけてきてくれ。」
「了解。あ、それで兄貴かしてほしいんだ。青龍出身だからいた方がいいと思って。」
「いいぞ。しっかり働かせろ。あいつはデスクワークもひとつもしないからな。」
あー、なるほど。
つまり、親父の前の書類の山は兄貴のとばっちりも含めてってことね。
「んじゃ。打ち合わせしてくるね」
「はいよ。気をつけてな。」
あたしは笑って部屋を出た。
親父、お気の毒さま。