あっつ…
ヘルメットで潰されていた髪の毛を手でなおす。
さすがに蒸れるよなぁ…
あたしは少し汗ばんだ頭皮に不快感を抱きながら、玄関のドアを開けた。
「ただいまー」
「「「「おかえりなさい!お嬢」」」」
玄関の周りにいた奴らが笑顔で挨拶する。
うむ、あっとほーむだね。
「兄貴、どこにいるかわかる?」
近くにいたヤツに尋ねれば
「剛さんは新入りたちの特訓をしてるかと。お呼びしますか?」
「うん。至急、着替えてきてって伝えてもらえるかな?」
「りょーかいです」
駆け出した後ろ姿を見送って
「直人、あたしの隣の部屋に通しといてくれる?あたし、親父にあってから着替えてくる。」
「おう。」
「なぁ、先打ち合わせ始めてていいか?俺と直人に情報入ってるし」
頼は無駄な時間をつくるのが嫌らしく。
「じゃあ先に始めてて。必要なら、ファイルつかっていいから。頼むね」
あたしは左へ、直人たちは右へ。
さてと、紅蝶を待たせて文句言われないうちに
とっとと親父のとこいってこよーっと。