月下美人




階段をのぼって地上に帰れば、うるさい繁華街の雑音があたしの耳を刺激する。


…この音には慣れた、かな。


さて、そろそろ行くか。



あたしは月を見上げながら歩く。

満月って綺麗だけど、なんか不気味。

なーんて思うのあたしだけ?




満月の日は、特別嫌な時間になるから。






ードンッ!



「ッ…たぁ。」


ヤバ、考え事のおかげで誰かにぶつかった。

あたしはあわてて相手に手を差し出す。




「ごめんなさい、大丈夫ですか?」




しかし相手の男はあたしの手をとることなく立ち上がって



「いや、こっちこそ悪りぃな。大丈夫か?」



顔をみて驚いた。


金髪、色っぽい目元、高い鼻。
日本人離れしてる。



あたしはコイツを知っている。



「龍牙、ね…」



あたしは無意識に笑って、つぶやいていたらしい。



「てめぇ…」



おっと。失言かな。



「タツー?ってどしたのこの子」



「いや…」




お、幹部が集まってきたね。
ふーん、今日は全員集合。