「よ。1人?」
誰、コイツ。
ここは爆音で音楽が鳴り響く、地下のクラブ。
あたしはいつものBARが閉まっていたことで、時間を持て余したから近くにあったクラブにはいった。
いつものBARみたいに静かじゃないこの場所はあたしには合わないらしい。
「…まぁね。てかあんただれ。」
「うっわ、ひっど!冷たい!!」
うわ、うぜぇ。
あたしの時間邪魔しないでよね。
あたしが心のなかでなにを考えているかを知るよしもない、目の前の男は馴れ馴れしくあたしの肩に手を置いた。
「なぁ…今夜暇だろーしいいだろ?」
さすがにあたしでもこの言葉の意味くらいわかる。
「冗談辞めてよ。あたし、そーゆー軽いやつ大嫌いなの。他あたって」
あたしは肩におかれた手を払って、出口につながる階段をのぼる。
「やっぱ、うるさいの苦手だわ」
あたしの口から漏れたのは
かったるそうな声だった。